学べる科目・授業はどんな内容か
MBAのスクール選び、科目や授業内容からの考察
本ページではMBAを取得するためのスクール選びにおいて、どんな内容の科目や授業が学べるのかという視点からの考察を述べていきたいと思います。
用意されている科目の充実度はいかに?
「各スクールの得意分野は何か」のページでもご説明しましたように、ひと口にMBAスクールと言っても、各校にはそれぞれに特徴や得意分野があります。経営戦略やマーケティング、会計・財務、人事・組織といった授業は概ねどこのMBAスクールでも学べますが、その上でどの分野に強いかによって、用意されている科目や授業内容は変わってきます。
また、近年では「IT」や「リスクマネジメント」、「コンプライアンス」といった時流に即した内容が用意されているスクールもある反面、その逆という場合もあります。ご自身が目指すキャリアアップの方向性にもよりますが、科目の充実度が高ければ高いほど、そのスクールの魅力度も比例して高くなると言えるでしょう。
実践的な授業か、学術的な授業か
総合力と専門力、どちらを重視しているか
結論から先に言ってしまいますと、MBAで重視すべきは前者の総合力になります。例えば経営者というものは、経理や財務に関する知識が不可欠ですが、それだけを専門的に学べばいいというものではありません。経営戦略や人事、コンプライアンスなど必要な知識を幅広く学んでこそ、経営者としての資質がより高まるのです。
そうした意味においても、前述しましたように、そのスクールの科目の充実度というのが重要になってくるのです。もちろん「広く浅く」ではなく「広く深く」学ぶことが重要。この点も予め、しっかりと踏まえておいてください。
何を学ぶのか
MBAの授業では、統計学、経済学、情報・マーケティング、財務会計、人的資源管理などの科目を中心に構成。会社の経営に欠かせない能力を網羅的に学べます。
ビジネススクールで重点を置いているのは、単に知識を学ぶことではなく、ビジネスの現場ですぐに役立つ実践力を養うこと。そのため、経営幹部を目指す仲間同士での意見交換やプレゼンテーションを行うなど、学生同士が接する機会の多い授業内容となっています。
そのほか、リーダーシップやコミュニケーション能力、ファシリテーション・スキル、アントレプレナーシップなどを学び、ビジネスにおいて柔軟に対応できるソフトスキルが身につきます。
また、在学生や卒業生との信頼関係の構築や卒業後の他のMBAとのネットワークづくりは、ビジネスを行う上で大切な財産となるでしょう。
MBAの種類
一般的に、MBAには学部を卒業後に企業で2年以上勤務した方や、社会人として4〜5年の経験を積んだ方を対象とするプログラムが用意されていることで知られているMBA。しかしそれだけではなく、受講対象者や期間、学び方など、条件によってさまざまなプログラムが設けられています。
一般的なMBAのプログラムは、「オンライン」と「オフライン」とに大きく分けられているもの。2年制を採用しているビジネススクールが多く、中には1年制のところもあります。また12〜18ヶ月の期間で、学生が自ら学ぶ期間を選択できるコースも存在します。
もう一つ、「EMBA」と呼ばれる上位のプログラムがあります。このプログラムは、10年以上の経験豊富なベテラン管理職を対象に開講されています。プログラム内容も実に厳しく、MBA教育の指導者を目指す方や、世界を代表するような経営者のトップを目標とする方へ向けたカリキュラムです。
「EMBA」は、海外のビジネススクールでは広く知られていますが、日本では馴染みのないプログラムでしょう。日本においても一部のビジネススクールでは、「EMBA」コースを設けているところもあります。
目指すゴールは?
経営幹部を目指す方にとって、MBAを取得することは言うまでもなく手段であって、最終的なゴールではありません。MBAの取得後、学んだことをどのように活用し、どのようなキャリアを歩むのか。自分が目指す「キャリアゴール」を設定し、MBAを取得する目的を明らかにすることが大切です。
MBAで理論を学んでも、実践で役に立たなければ、MBAを学ぶ意味はありません。新たなプロジェクトを任されたが、MBAで学んだことの1/10も活かせなかったという例もあります。MBAを学ぶ間も、現実と理論の違いに視点を合わせることが重要です。
ビジネススクールには、「AMP」という経営者を養成するためのプログラムなども用意されています。MBAで得た知識や能力を使いこなし、それぞれの「キャリアゴール」を目指すには、実践力を身につけられるビジネススクールで学ぶことをおすすめします。