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イノベーションとは?ビジネスでどうやって生み出すのか

ビジネスの成功と企業の持続的な成長を実現させるためには、「イノベーション」を起こすことも大切です。

イノベーションとは何を指す言葉で、企業にとってどんなメリットをもたらすのでしょうか。本項では、イノベーションの定義や具体的な事例について解説するとともに、日本におけるイノベーションの現状について考察します。

イノベーションとは何か

イノベーションとは、「革新」や「新機軸」「刷新」を表す言葉です。日本では「技術革新」と訳されることもありますが、技術による革新はイノベーションの一面にすぎません。アイデアや仕組み、サービス、ビジネスモデルなど、今までになかったものを取り入れて新たな価値を生み出すことはすべて「イノベーション」であるといえるでしょう。

間違われやすい「イノベーション」と「リノベーション」

イノベーションと混同しやすい言葉に、「リノベーション」が挙げられます。リノベーション=renovationは、日本語で「修復」「刷新」「革新」といった意味の言葉になります。

一見イノベーションと意味が似ているようですが、リノベーションは主に建築や都市開発の現場において、「資産価値を高めるための大規模な改造・改修を行う」という意味で使われることがほとんどです。ビジネス用語として用いられることはほぼないため、誤用しないよう注意しましょう。

イノベーションの分類

イノベーションは、変化の元となるものや根底に流れるマインド(考え方)などによって、さまざまな分類がなされています。ここからは、経済学者によって提唱されたいくつかのイノベーションの分類について見てみましょう。

ヨーゼフ・シュンペーターが提唱するイノベーション

ヨーゼフ・アロイス・シュンペーター氏(1883~1950)は、オーストリア・ハンガリー帝国(後のチェコ)出身の経済学者です。イノベーションの理論を確立した、いわば「イノベーションの始祖」として知られており、今日の経済学にも大きな影響を残しています。

シュンペーター氏は、その著書の中で次の5種類のイノベーションを提唱しました。

プロダクト・イノベーション

従来にはない、まったく新しい製品やサービスの開発によって新たな価値を生み出すことです。これまでに行われてきたプロダクト・イノベーションの代表的な例には、テレビや冷蔵庫、スマートフォンといった製品の開発が挙げられます。こうした画期的な製品の創出は、消費者の生活そのものをも劇的に変化させました。

プロセス・イノベーション

業務や製品生産の過程・行程を新しい形に改めることにより、生産効率を上げるのがプロセス・イノベーションです。著名な例としては、自動車メーカー「フォード」が工場にベルトコンベアを導入し、自動車の低価格化や大量生産に成功したことが挙げられます。フォードのプロセス・イノベーションにより、それまで高級品であった自動車が広く大衆に行き渡るようになりました。

マーケット・イノベーション

新たな市場(マーケット)を開拓し、新しいニーズや顧客を得ることです。具体的な事例には、携帯電話・スマートフォン向けアプリゲームの台頭が挙げられるでしょう。専用のハード(ゲーム機)を介さないことにより、家庭用ゲーム業界では難しいとされてきた新規ユーザーの大量獲得に成功しました。

サプライチェーン・イノベーション

製品の原材料やその供給ルート、在庫管理、配送など、製品が消費者の手に届くまでの流れ(サプライチェーン)に改革をもたらし、成果を上げることを指します。2020年には、セブン-イレブン・ジャパンが経済産業省の「サプライチェーン・イノベーション大賞」を受賞し、話題となりました。これは、同社が工場の衛生管理レベルの向上や在庫処分費用の削減といったサプライチェーンの改革を通じ、食品ロスの削減に貢献したことが評価されたものです。

オーガニゼーション・イノベーション

組織そのものを変革し、企業や業界に影響を与えることをオーガニゼーション・イノベーションといいます。具体的な例としては、社内ベンチャー制度の採用やフランチャイズシステムの導入などが挙げられます。

クレイトン・クリステンセンが提唱するイノベーション

クレイトン・クリステンセン氏(1952~2020)は、アメリカ出身の経営学者です。名著「イノベーションのジレンマ」をはじめ、経営学に関わる多くの書籍を上梓し、日本を含む世界中の企業に大きな影響を与えました。

クリステンセン教授はその著書の中で、対をなす2つのイノベーションのタイプを提唱しています。

破壊的イノベーション

従来の方法、既存のルールを根本的に覆すような新たな発想を取り入れ、新製品や新しいサービスを生み出すことを指します。破壊的イノベーションは、何をもって市場を覆すかという改革の「元」となる要素により、さらに2種類に分けることが可能です。

まず、技術によってこれまでになかった市場を新たに生み出すのが「新市場型破壊」。デジタルカメラや、電子書籍の登場がこの新市場型破壊にあたります。

そして、低価格の製品によって市場に改革をもたらすのが「ローエンド型破壊」です。例ととしては、格安航空会社や格安SIM、ファストファッションなどが挙げられます。

持続的イノベーション

顧客のニーズを取り入れ、今ある製品やサービスを改良していくことを持続的イノベーションといいます。破壊的イノベーションとは対照的に、これまでに培ってきた方向性を重視する方法です。

すでに一定の成功を収めている大企業の多くは、この持続的イノベーションを続けることで顧客を維持していると言われています。しかし、持続的イノベーションにばかり注力していると、例え合理的な判断を行っていたとしても、破壊的イノベーションによって革新的な製品やサービスを打ち出す新興企業に大きく後れを取ってしまうことも。クリステンセン教授は、この現象を「イノベーションのジレンマ」と名付けています。

ヘンリー・チェスブロウが提唱するイノベーション

ヘンリー・ウィリアム・チェスブロウ氏(1956~)は、カリフォルニア大学バークレー校経営大学院の教授です。次に解説する「オープンイノベーション」の概念を、2003年に世界で初めて提唱しました。

オープンイノベーション

さまざまな業種・業界の技術やノウハウ・アイディアを組み合わせ、自社の資源や技術のみでは作り出せないような製品やサービスを生み出す手法がオープンイノベーションです。企業の垣根を超え、互いの強みを活かしながら新たな価値の創出を目指すことにより、「自社にはない新たな知識や技術を獲得できる」「短期間・低コストでの開発が見込める」といったさまざまなメリットが生まれます。

クローズドイノベーション

自社の持てる知識や技術のみで、画期的な製品やサービスを生み出す手法をクローズドイノベーションといいます。「技術・ノウハウを独占できる」「利益が全て自社に還元される」といったメリットがある一方、「開発にかかる時間やコストが嵩みがち」「時代の流れに対応しにくい」といったデメリットもあります。

イノベーションが注目されている理由とは?

イノベーションが注目を集めている理由。それは、企業の飛躍的な成長に繋がる可能性が高いためです。

まず、イノベーションに成功した企業は、総じて大きな経済的成長に恵まれる傾向にあります。新たな製品やサービスによって市場を一時独占できる可能性もあり、企業にとって非常に大きなチャンスであると言えるでしょう。また、イノベーションによって新たな生産方式を確立できれば、社員一人ひとりの生産性を高めたり、労働環境の課題を改善したりすることもできるかも知れません。

さらに、新たな価値の創造によって市場での優位性を得ることは、既存顧客の囲い込みのみならず、新たな顧客を得ることにも繋がります。特に、グローバル化によって国際競争が厳しさを増している昨今では、競争力を高めるカギとして、チェスブロウ教授が提唱した「オープンイノベーション」が注目されています。

日本ではイノベーションを起こすのが難しい?

企業の成長の要として、世界的に注目を集めているイノベーション。しかし、他方では「日本では、イノベーションを起こすことは難しい」とも言われています。

なぜ、日本ではイノベーションが生まれにくいのでしょうか。その背景には、主に次のような課題があると考えられます。

我が国では、「優秀な人材ほど既に多くの役割を担っており、新しい事業にリソースを割くことが難しい」というケースが多く見受けられます。また、保守的な企業が多く、斬新なアイデアよりも従来の方法を踏襲した無難なアイデアを重視しやすいことも原因のひとつ。外部との連携に消極的なクローズドイノベーションや、既存顧客の声に重きを置く持続型イノベーションの考え方も根強く、市場を覆すような革新的な製品やサービスの開発には至りにくいのが現状です。

さらに、不完全な製品を顧客に提供することを強く恐れる傾向から、PDCAサイクルがスムーズに回りにくいというネックも。こうした課題が生じる背景には、目立つことや波風を立てることを嫌い、周囲と足並みを揃えることを是とする国民性や、若手に発言権を与えない年功序列のマインドも少なからず関与していると考えられます。