プレゼン力を磨くには?効果的なスキルアップのコツ
ビジネスにおけるプレゼン力の必要性
ビジネスの場で、プレゼン力は必要不可欠なスキルです。
これまで、社外のプレゼンでは、最低価格とキレイな提案書が決定打となることも多く、社内においてはプレゼン力より接待力やいかに上司の心を掴めるかが重視される傾向にありました。
現在は日本のグローバル化が進み、外資系企業が日本で事業を展開するケースも増えています。従来通りの一辺倒のやり方では、すでに通用しにくくなっていると感じる部分もあるのではないでしょうか。
「理解してくれるだろう」という相手への期待感だけで、肝心のコミュニケーションの部分がぼやけている状態。それでは、ビジネスを円滑に進めることはできません。論理的で、感情に訴えるプレゼン力が必要といえます。
相手を納得させるプレゼンのコツ
プレゼンで大切なことは、なぜそういう結論になるのか、その根拠は何かというロジカルな思考で内容を整理し、相手にわかりやすく伝えることです。自分の主張や提案に説得力を持たせるには、正確な根拠を示す必要があります。具体的な事例をあげながら、ロジカルに話を進めていくことで、説得力のあるプレゼンになるのです。
また、より相手に伝わりやすいプレゼンにするには、感情を刺激する言葉を取り入れることがポイントになります。相手の感情に訴えるには、相手にとっての重要なメリットを、提示することが大切です。
効果的なプレゼンとは
アイコンタクトをとる
プレゼンを行う際は、初めの挨拶で一番後ろに座っている人とのアイコンタクトを意識的に行うようにしましょう。そうすることで、顎が上がって全体を見渡しているように見え、堂々とした印象を与えられます。
逆に前列の方にばかり目を向けていると、目線が下がり、自信がないように感じられるケースもあるため注意しましょう。
ハンドアクションを活用する
プレゼンでハンドアクションがうまくできる人は、聞く側の注意を引き付けられます。ハンドアクションが苦手という方は、「ポイントは2つです」と話しながら2本の指を出すなど、数を手で表現することからチャレンジしてみましょう。手をあげる位置は、顔の横くらいが適当です。ホワイトボードなどで相手に何かを指し示す場合は、手のひらを見せるようにすると、相手に好印象を与えます。適度にハンドアクションを活用することで、プレゼンの内容も相手の印象に残りやすくなります。
無意識の癖を直す
ペンを回したり、カチカチと音を鳴らしたりなどの癖は、プレゼンの最中にも無意識に出てしまうものです。こうした癖は、なかなか自分では気付けず、場合によっては相手に不愉快な思いをさせていることもあります。リハーサルや本番の様子を動画で撮影し、気になる癖がないかチェックしておきましょう。癖を直すのは簡単なことではありませんが、せめてプレゼン中には癖が出ないよう意識することが大切です。
本番で緊張しない方法を実践する
いくらリハーサルを行っても、本番は緊張であがってしまう人も多いでしょう。本番であがらないためには、事前準備や、緊張をほぐす方法などを実践してみましょう。例えばプレゼンで話す内容のほかに、具体例やネタなどを用意しておく。笑顔で聞いてくれたり、頷いてくれたりする人がいたら、その人を相手にプレゼンを行うつもりで話す。言葉に詰まった際には、一旦話を止めて相手に質問するなど、緊張しない方法を見つけて実践してみましょう。
伝え方を工夫する
プレゼンで強調したい部分は、大きな声でゆっくりと話したり、話す速度に変化をつけたりすることで、効果的に伝えられます。また、キーワードを話の全体に散りばめることで、印象に残りやすくなります。さらに「しかし」「例えば」などの接続詞を使うと、話にメリハリがつくでしょう。
質疑応答で満足感を与える
意外に印象に残るのが、質疑応答の対応です。ハンドアクションで質問を促したり、質問者に対してアイコンタクトをとったり、相手が使った言葉で回答するなど、聞く側の信頼や満足感をアップさせる対応を目指しましょう。
声の出し方・話し方を意識する
声の大きさ
プレゼンの全般での声の大きさは、一番後ろの人が聞こえるくらいの声量で話すことが前提となります。また、「大きく影響します」と話す場合、「大きく」という表現に合わせて、大きくゆっくりとした調子で話すことで、表現と一致したイメージを相手に伝えやすく、印象に残りやすくなります。
話すスピード
全体の内容で特に重要なメッセージは、ゆっくりとした速度で話すことが大切です。メリハリをつけるために、重要な部分までは少し早めに話し、メッセージ部分を目立たせることで、相手の心に響きやすくなります。
沈黙
聞き手がこちらに注目するまで沈黙することで、相手側に聞く準備ができます。冒頭だけではなく、プレゼン中にも沈黙することで、話し始めた際の聞き手の集中度が上がります。ポイントは、沈黙している間ずっと、聞き手を見ていることです。
抑揚
感情が表面に出てくると、話の流れに自然と抑揚が生まれます。また、伝えたいメッセージを強く話した方が良い場合と、柔らかく伝えた方が良い場合があります。自身のプレゼンでは、どちらが効果的かを知るには、リハーサルを行って、第三者からフィードバックをもらうのがおすすめです。
間
話が上手いと感じられる人は、「間」の取り方が上手です。話と話の途中に「間」を設けることで、相手に期待感を持たせたり、考えさせる時間を作ったり、印象づけなどが容易になります。「間」の取り方を身につけるには、寄席やラジオ、テレビ、YouTubeなどで落語を聞くのがおすすめです。聞く際は、ぜひ「間」を意識してみましょう。
方言・イントネーション
方言で話す場合は、話の中に意図的に使うと効果的です。意図的に入れ込まなければ、ただ訛っていると認識されるだけで、聞き手にも耳障りに聞こえ、内容が入ってこないという可能性もあります。標準語をベースに、方言をポイントで活用できれば理想的です。
アクセントをつける
特に伝えたいキーワードに、アクセントをつけることでインパクトを与える方法です。2020年に予定されていた東京オリンピック招致のプレゼンで「お・も・て・な・し」のセリフが話題になりましたが、この言い方が良い例です。
敬語
たとえメッセージが感動的なものであっても、敬語の使い方が悪ければ、評価は下がってしまいます。社会人として最低限のマナーである、尊敬語・丁寧語・謙譲語などの敬語を、改めて確認しておきましょう。
ノイズ
「え〜」「あの〜」といったノイズを入れることはやめましょう。方言と同様に、耳障りに聞こえてしまい、聞き手の関心が逸れてしまうこともあります。プレゼンの評価を落とすことにもつながるため、注意が必要です。
プレゼン力の向上についてよくある誤解
プレゼン力に関して、多くのビジネスパーソンが勘違いをしている点が2つあります。
「方法を知れば十分」と思っている
プレゼンを行う際に、その方法やテクニックばかりに力を注ぐ人がいますが、それでは不十分です。プレゼンが上達しないのは、特別なノウハウを知らないためで、知識さえ習得できれば、もっとうまくできる、というのは勘違いであることに気づくべきでしょう。プレゼン力をアップさせるには、事前準備をしっかり整え、何度も練習を繰り返して改善していくことが大切です。
「プレゼンは場数が全て」と思っている
場数さえ踏めば、プレゼン力が向上すると思っている人がいますが、プレゼンは決して慣れればうまくなるというものではありません。「計画・実践・振り返り」こそが上達のポイントになります。
プレゼン力を磨くために必要な3つの要素
当然、テクニックや慣れも、プレゼン力をアップさせる上では必要なものです。ただ、必要条件でしかありません。
プレゼン力を磨くには、「計画(Plan)・実践(Do)・振り返り(Check)」の3つの要素を、もれなく行うことが重要になります。
計画(Plan)
プレゼンを行うにあたって、必要な知識や情報を集め、プレゼンの準備を行います。プレゼンの方法を学ぶのはこの段階です。
「計画」において大切なことは、ゴールとなる目標をイメージすること。プレゼン力をどのように上達したいのか、なぜプレゼン力を高めたいのか、といったことを明確にします。
また目標を達成するために必要な、ノウハウやスキルを学ぶことも大切です。
実践(Do)
実践を積むことは、プレゼン力を習得する上で重要なポイントになります。ただ、あいまいなプレゼンで場数をこなしても無駄が多いばかりで、大きな効果を得るのは難しいです。プレゼン力の上達スピードをより高めるには、「今日は笑顔に気をつける」「ハンドアクションを意識する」など、1回1回のプレゼンで自分の目標を設定しましょう。
振り返り(Check)
プレゼンが終わった後は自分のプレゼンを振り返り、どこが良かったか、改善点はどこか、といった内容を明確にしましょう。その上で、次へつなげる対策を考えます。
プレゼンを行う際に、ボイスレコーダーでの録音やビデオ撮影などを行えば、効果的な振り返り作業が行えます。
以上の3つのステップをプレゼンの度に行うことで、徐々にプレゼン力が磨かれていきます。
プレゼン力をアップさせる方法
人前で話すことが苦手・口下手だという方には、プレゼンが苦痛に感じられるのかもしれません。ただ方法を知るだけで、効果的なプレゼンを行うことは可能です。実践を積むことで自信もつき、ビジネスパーソンとしてのスキルアップにもつながるでしょう。
ここでは、プレゼン力を高める方法について解説します。
コミュニケーションであることを自覚する
プレゼンはコミュニケーションの一つです。自分が一方的に話すのではなく、聞き手の反応を見ながら進めていく必要があります。相手の反応を確実に掴むには、自分が伝えたいメッセージを、相手に伝えられているかという点を意識することが大切です。資料ばかりに目を向けていたり、プロジェクターなどの機器の操作に集中してしまったり、形ばかりにこだわって聞き手に無関心でいては、良いコミュニケーションはとれません。
相手からの信頼を得る
プレゼンの目的は、自社商材の内容を説明することのほか、聞き手からの信頼を得ることも含まれています。そのため、どうすれば信頼を得られるかを考えることも重要といえます。
相手に合わせて話す
プレゼンはコミュニケーションでもあるため、聞き手がどんな相手なのかを分析することも大切です。事前準備として、聞き手は何人か、性別や年齢などは、最低限把握しておきましょう。例えば、聞き手が興味・関心のある話題を、プレゼンの事例に絡めて話すことで親近感が湧きます。
また、プレゼン中でも聞き手はさまざまな反応を見せるため、話している間にも相手の分析が必要です。
全体の流れを意識した構成を作る
プレゼンを始める前には、導入部として、あいさつや自己紹介、プレゼンの進め方の説明があります。その後の本題は、「序論・本論・結論」の3つのパートで構成されます。効果的なプレゼンを行うには、全体の基本的な流れを意識して構成を考えることが大切です。
プレゼンの時間配分を決める
全体の構成が決まったら、あいさつなどの導入部の構成ごとに、時間配分を決めておきましょう。プレゼンの中核は「本論」ですが、その他の部分にもさまざまな要素が盛り込まれています。時間配分を決めておかなければ、時間内に説明を終わらせられなかったり、逆に時間が余ってしまったりするため、時間配分を明確にすることが重要です。
プレゼンの全体像を頭に入れる
本番では資料や進行表などを見ながら説明しても良いですが、どうしても固い雰囲気になりがちです。プレゼンの本題の流れや全体像を、すべて頭の中にインプットしておきましょう。
トレーニングの実施
本番の前には、必ずリハーサルを行いましょう。リハーサルでは、上司や同僚など第三者に見てもらうことで、自分ではわからなかった問題点に気付くこともあります。資料や機材を揃え、本番と同じ状態でリハーサルを行うことで、効果はアップします。
資料の確認
プレゼンの前には、必ず資料を確認しましょう。複数の資料を使う場合は、聞き手に資料の数を確認することも大切です。また、資料の混同を防ぐために、どの資料から説明を行うのかを伝えるなど、常に聞き手に注意を向ける必要があります。
プレゼン力を効率良く身につけるには
プレゼン力は後天的に伸ばすことが可能です。ただ、効果的なプレゼンを行うには、コミュニケーション力や分析力といったスキルも必要になってくるでしょう。
プレゼン力に関して、より詳細な内容を効率良く学びたいのであれば、ビジネススクールで専門的に学ぶのが良いです。
自分の可能性を広げる「MBA」を学ぶ
幅広いビジネススキルを学べることはもちろん、年収アップや転職にも有利になる「MBA」。
当サイトでは、名古屋でMBAを取得できる2校「グロービス経営大学」と「名古屋商科大学ビジネススクール」を徹底比較しています。
学べる内容やスクール選びのポイント、MBAを取得するメリットなどを、ぜひチェックしてください。