MBAって「資格」扱い?
MBAは、資格として見なされるのか?
本ページでは、そもそもMBAを取得するということはどのようなことなのか、資格として見なされるのかという点について解説していきたいと思います。
まずは、結論から申し上げてしまいましょう。MBAは資格や免許といったものではなく、「経営学修士号(専門職/MBA)」という学位になります。「国内でのMBA評価」のページでもご紹介しています通り、MBA(Master of Business Administration)は19世紀末、アメリカにおいて確立されました。企業経営を科学的アプローチによって捉え、経営の近代化を進めるための学問として発展したのです。
本国アメリカでは、上場企業やグローバル企業のトップを務める人材の多くが、MBAを取得しているというデータがあり、時価総額上位ランキング500位内中、147社のトップがMBA取得者。また大手グローバル企業のトップは1/3がMBA取得者といった具合です。
こうしたことから、MBAはある種の「資格」のように見なされ、取得することが重要と思われてしまうことも多いと見受けられます。しかし、これまた本サイトで繰り返しています通り、MBAは取得すればそれでいいというものではありません。それこそ、取得すれば、自動的に経営者としての地位が約束されるということはないのです。
重要なのは、MBA取得を通じて得たノウハウや知識を、実際にビジネスの現場で活かすこと。その結果として、地位や待遇の向上、給与のアップといったことがついてくるのです。つまり、MBAは目的ではなく、手段であると考えるべきものなのです。それこそ、「MBAを取得さえすれば、楽に昇進や昇給につながりそうだから、やってみよう」という考えは、捨ててください。そのような考えで取得できるほど、MBAは甘いものではありません。平日夜間や土日の休息を犠牲にし、予習と授業に多大な労力を費やし、およそ2年の時間をかけて、ようやくMBAは取得できるのです。決して手っ取り早く取れる資格ではないことを留意しておいてください。
なお、MBAには、ビジネス能力の向上というメリット以外にも、もうひとつ他では得られないメリットというものがあります。それは、ビジネスに大きな志を持つ仲間たちとの絆の深まりと、新たな人脈の形成。普段の業務だけではなかなか知り合うことのできない、業種や業界の人々との交流は、MBA取得後のビジネスシーンにおいて、ご自分だけの貴重な財産になります。この点もまた、MBAを取得するための大きなモチベーションとなるのではないでしょうか。
以上の通り、MBAでは資格ではなく、学位です。取得しただけでは意味がなく、得た知識やノウハウを活用してこそ、大きなメリットが生まれます。くれぐれも、この点を踏まえておいてください。