MScとMBAの違い
MScとは
MSc(Master of Science)とは経営学に関する修士号の内、「研究志向」に分類された学位です。カリキュラムは必然的に学術志向が強くなる傾向があり、財務や会計、金融など、企業の特定領域に関する専門知識を体系的に理解した人材育成を目的として構成されています。
また、欧州では実務経験3年以上のプログラムのみをMBA認証するので、カリキュラム上はMBAでもあえてMScと表記される場合があります。
MScとMBAのちがい
MScとMBAの簡単なちがいは次の通りです。
- MBAは幅広い知識や経験の共有が行う場
- MScは専門領域に特化し、知識の深堀りを行う場
MScとMBAは育成すべき人物像が異なるので、教育手法や目的も異なります。違いを正確に表現できる人間は日本国内では国際認証担当者など限られています。それぞれの違いを以下にまとめてみました。
MSc | MBA | |
学位の種類 | 経営学に関する修士号の内「研究志向」に分類 | 経営学に関する修士号の内「実務志向」に分類 |
内容 | 将来、博士課程に進学する事を考慮した学術志向が濃い | 実務家のための実践色のが濃い |
目的 | 企業の特定領域(財務、会計、金融、生産技術、流通、税務、マーケティングなど)に関する高度な専門知識を体系的に理解した人材育成 | 経営者の視点で企業活動全体を俯瞰した意思決定ができ、総合的な判断能力を持つ人材(CEO、CFO、COO、CMO)育成 |
MScで学ぶこと
MScは特定領域に関する高度な専門知識を体系的理解した人材育成を目的としているため、ケースメソッドを多用した実践的な講義よりも、理論研究が中心で学べる内容となります。MScで学べるプログラム一覧は以下の通りです、
- 戦略コンサルティングとデジタルトランスフォーメーションのMSc
- マーケティング管理のMSc号
- 起業家精神とイノベーションのMSc
- LL.M. 法務および税務管理
- クリエイティブビジネスとソーシャルイノベーションのMSc
- データ分析と人工知能のMSc
- グローバルで持続可能なビジネスのMSc
- ファイナンスのMSc
- 国際会計と財務のMSc
- リスク&ファイナンスのMSc
- 金融市場のMSc
- コーポレートファイナンス&バンキングのMSc
MScのメリット・デメリット
企業の特定領域に関する専門知識を体系的に理解した人材育成を目的とするMScのメリット・デメリットは以下の通りです。
【メリット】
- 実務経験なしでも学べる
- 実務経験がない中国とインドの参加者が増加し、世界的にMScへの参加希望者が近年増加傾向
- 年齢層が若く20代が中心
- 若い世代が多いため議論を通じて思わぬ気付きが得られる
- 授業料がMBAに比べると少し安くなる
【デメリット】
- 修士論文が原則必要
- 実務経験に基づいた議論が深まらない
- 開講形式がフルタイムなので仕事に通いながら勉強するのが困難
- MScの市場は日本国内においてはあまり知られていない