MBAは転職に有利
MBA取得は、転職にどんな影響をもたらす?
本ページでは、MBAを取得することによって、転職にどんな影響をもたらすかについての考察を述べていきたいと思います。
MBAが注目される背景
今から30年ほど前、ちょうどバブル経済のまっさかりで日本企業もMBAというものに着目し始めた頃、幹部候補として有望な人材を海外にMBA取得に派遣し、見事成功して帰国したものの、逆に社内で居場所がなくなり、挙句の果てに外資系企業へ転職してしまったということがあったそうです。日本の企業には、まだまだMBAというものを評価する土壌が無かったことがうかがい知れますね。
時は経ち、現在ではMBAも広く知られるようになり、転職においても大きな武器としての役割を持つようになってきました。少なくとも転職に不利になることはない状況となっています。一方で、MBA取得者が転職したとしても、すぐに前職を上回る給与や待遇を得られるとまでは言い切れません。本サイトで繰り返し述べています通り、MBAは取得することが目的ではなく、得た知識やノウハウを実戦の場で活かしてこそ、評価されるものだからです。この点はしっかりと踏まえておきましょう。
MBAは全てにおいて優遇されるわけではない
またMBA取得を転職に活かそうとする場合、ひとつ守るべきことがあります。それは「職種と業界の両方を変えるべきではない」という点。例えば製造業で経理・会計畑だった方が、同じ製造業のマーケティング部門に転職する、あるいは製造業から食品メーカーに転職するが職種は同じ経理・会計部門というのはありですが、職種と業界を両方変えてしまうのは、前職の経験をまったく活かせないこととなってしまいます。「MBAを取得したのだから、未知の職種と業界でもやっていける」というのは、驕った考え方と言わざるをえません。業界は変えるが職種は変えない、あるいは職種は変えるが業界は同じ、最低でもこのどちらかを守るべきです。
そしてもうひとつ、MBA取得によって生まれてしまうデメリットについても、予め考えておくべきです。前述の通りMBAを取得することが不利になることはまずありませんが、苦労して取得したMBAが、転職した先でさほど評価されない場合や、そもそも採用の条件としてMBA保有かどうかを重要視していないという企業は、今のご時世でもまだまだ多く存在しています。 このあたりは、本国アメリカとは、まだまだ差があるのが現実なのです。
企業の体質を見抜くことも重要
それゆえ、最初から転職を有利にするためにMBAを取得しようとするならば、希望する転職先が、MBA取得者を評価しているのかどうか、ご自身の職歴や経験を活かせる職場でMBA取得者を評価している会社はどの位あるのかを、事前に調べておくべきです。
何度も繰り返しています通り、MBAというものは、取得すればいいというものではなく、得た知識やノウハウをビジネスの場で実際に活かすためのものなのです。
コンサルタントから見たMBAホルダーの採用事情
MBAホルダーの採用傾向
最近の採用傾向では、コンサルティング会社の戦略コンサルタント、金融・投資・ファンド系などの需要が多いようです。その他、家電・電気関連、製薬・化学関連、マネジメントやファイナンス、マーケティングなど、MBAホルダー向けの求人もあるので、検索してみましょう。
MBAを活かせる企業
日系企業の大手や外資系企業の大手などでは、MBAで学んだ能力を発揮して活躍できるでしょう。ただ日本の中小企業などでは、MBAホルダーを十分活用できていないケースも。日本ではもともと、新卒の人材育成に力を入れています。グローバル市場に乗り出すため、経営者教育に力を入れる企業も増えているとはいえ、新しい経営戦略に取りかかれずにいる企業も多いのです。
MBAの学校によって評価は変わる?
海外MBAのトップ20校に入る学校の場合は評価が高く、就職活動でも有利といえます。ただトップスクールを卒業した場合、その後のキャリアは大方決まります。例えば、北米ではコンサルティング会社や金融に就職すると、年収1,000万円以上のポジションが用意されています。MBAは全世界に何千コースもあり、学校によって評価に差が現れるのは当然かもしれません。
国内MBAと海外MBA、採用に有利なのは?
海外と日本、どちらのMBAで学ぶにしても、基本的な内容はほぼ同じです。そのためひとまとめに海外MBAが優秀で就職に有利とはいえません。ただ、英語力の面でいえば、外資系の企業に就職する場合は、海外MBAの方が有利になります。日本のMBAはまだ歴史が浅く、企業側の認識も薄い印象です。国内でMBAを取得した場合のポジションは、今後増えていくでしょう。
新卒MBAと社会人MBA、採用に有利なのは?
社会人MBAの場合は、即戦力として経営に関わることになりますが、新卒でMBAを取得した場合は学歴の一つとして考えられます。ポテンシャルの高さが認められれば、採用の可能性もありますが、専門分野での社会経験が2~3年ある方が、やはり有利になるでしょう。
求人票に記載の「MBAあれば尚可」の意味
MBAを取得していれば理想的だけれど、取得していない場合でも、MBAと同等の戦略やマーケティング、ファイナンスなどの知識があれば良いということになります。この背景としては、企業が戦略的な知識を持つ即戦力を求めているか、高学歴の人材を求めている、または外資系の企業である場合が考えられます。
MBAホルダーの日本企業へのアピール方法
日本企業はMBAへの認識がまだまだ低いことから、就職時いかにMBAで身につけた能力をアピールできるかがポイントになります。例として前職で問題に直面した時のエピソードを例にあげ、MBAの取得以前には解決できなかった問題に対して、取得後はいくつかの解決方法を提案できます。このように、MBAで得た知識をどのように活かせるかを説明し、企業にとって有益な人材であることが示せると理想的です。
「CPA or MBA qualifications beneficial」の表記の意味
CPAは「資格」でMBAは「学位」です。そのため根本的には性格の異なるものです。ただ、経理・会計の業務の中でも、企業内会計士や監査法人系の会計士など、メインで数値管理を行うポジションであれば、会計に精通している必要があるため、専門的な知識やスキルの有無を示す証として「CPA」の資格を持つ人材が求められます。
一方、PL管理責任のある管理職のポジションであれば、CPAの資格は必須ではありません。CPAの資格がなくてもMBAがあれば、経営管理の能力があることを示すため、「CPA」「MBA」どちらでも良いということになります。